○県央地域広域市町村圏組合予防査察規程

平成19年6月13日

消防長訓令第4号

県央地域広域市町村圏組合予防査察規程(昭和49年消防長訓令第4号)の全部を改正する。

(趣旨)

第1条 この規程は、別に定めがあるもののほか、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)第4条及び第16条の5の規定に基づいて行う立入検査(以下「査察」という。)について必要な事項を定めるものとする。

(用語の意義)

第2条 この規程において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 査察 法第4条又は第16条の5の規定に基づき関係のある場所に立ち入つて検査又は質問を行い、火災の予防上必要な措置を講じ、火災の危険を排除することをいう。

(2) 査察員 査察に従事する消防職員をいう。

(3) 査察対象物 査察の対象となる消防対象物をいう。

(4) 関係者 消防法第2条第4項に定める者をいう。

(査察員の心得)

第3条 査察員は、常に関係法令を遵守し、査察に必要な知識の習得及び技術の向上に努め、査察にあたつては、法第4条又は法第16条の5の規定によるほか、次の各号を遵守しなければならない。

(1) 服装は原則として制服とし、端正であること。

(2) 言語、動作に留意し、関係のある者に不快な感じを与えないこと。

(3) 査察に際しては、その旨を告げ、関係者、防火管理者、危険物保安監督者、危険物施設保安員その他責任のある者の立会いを求めて行うこと。

(4) 火災予防上の不備欠陥事項については、その内容を説明し、法的根拠を明らかにして懇切に指導すること。

(5) 消防用設備等その他関係事項について質問又は相談を受けたときは、適正な判断により、的確な指導を行うこと。

(6) 正当な理由がなく立入検査を拒み、妨げ、又は忌避する者があつたときは、査察の趣旨を説明し、なお応じないときは、その旨を上司に報告し、指示を受けること。

(7) 関係者の民事に関与しないこと。

(防火対象物の区分)

第4条 防火対象物を次のように区分する。

(1) 第1種防火対象物 消防法施行令(昭和36年政令第37号。以下「令」という。)第1条の2第3項に定める防火対象物をいう。

(2) 第2種防火対象物 令第6条に定める防火対象物で前号に定めるもの以外の消防用設備等を設置する必要があるものをいう。

(3) 第3種防火対象物 法第10条に定める危険物の製造所、貯蔵所及び取扱所(以下「危険物製造所等」という。)をいう。

(4) 第4種防火対象物 液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律(昭和42年法律第149号)第3条に定める販売所及び貯蔵施設(以下「販売施設等」という。)をいう。

(5) 第5種防火対象物 前各号に定める防火対象物以外のものをいう。

(査察の種類)

第5条 査察の種類は、次のとおりとする。

(1) 定期査察 次条第1号の規定に基づき、消防長が別に示す定期査察実施目標(別表)に基づき、消防署長(以下「署長」という。)が計画的に行う査察をいう。

(2) 特別査察 消防長又は署長が、特に火災予防上必要があると認める防火対象物又は火災により人命に危険があると認める防火対象物について行う査察をいう。

(年間査察計画)

第6条 査察計画は、次のとおりとする。

(1) 定期査察計画 署長は、定期査察実施目標に基づき、定期査察実施計画をたてて、定期査察実施計画書(様式第1号)を作成し、毎年3月20日までに消防長に報告しなければならない。

(2) 特別査察計画 署長は、火災予防上必要と認めたとき及び消防長から火災予防上必要と認めて指示があつたときには特別査察を計画するものとする。

(査察の実施)

第7条 定期査察は、第4条に定める防火対象物について前条の定期査察実施計画に基づき行うものとする。

2 特別査察は、必要により適宜実施するものとする。

3 査察の結果、火災予防上の不備欠陥事項が認められるときには、当該不備欠陥事項が是正されるまでの間、継続して査察、事情聴取その他の方法により指導を行わなければならない。

(査察事項)

第8条 査察は、火災予防及び火災に伴う人命の安全を主眼として防火対象物等の状況に応じ、次に掲げるものの位置、構造及び設備の点検・管理状況等について行うものとする。

(1) 建築物その他の工作物及び舟車

(2) 火気使用設備(対象火気設備等を含む)及び器具

(3) 電気設備及び器具

(4) 消防用設備等及び住宅用防災機器

(5) 危険物、指定可燃物、ガス、毒物劇物、放射性物質等及びその関係施設

(6) 避難管理

(7) 防災対象物品

(8) 消防計画及び消防訓練の状況、防火管理計画及び予防規程

(9) 防火管理者及び危険物保安監督者等

(10) 消防用設備等の検査票及び維持台帳の記録状況

(11) その他火災予防上必要と認める事項

(査察結果の通知)

第9条 査察の結果、火災予防上の不備欠陥を認めたときは、関係者に対し具体的に説明し、改善するよう立入検査結果通知書(様式第2号又は様式第2号の2)を交付し指導するものとする。ただし、容易に是正できるものについてはこの限りではない。

2 前項の査察の結果、改修に日時を必要とする事項については、改修計画書(様式第3号)の提出を求めることができるものとする。

3 立入検査結果通知書を交付する場合は、別添指導書の副(様式第2号)に署名を求め又は受領書(様式第2号の3)を徴収するものとする。

(勧告書)

第10条 署長は、前条第1項の不備欠陥事項が改善されない場合又は火災予防上若しくは災害防止上必要があると認める場合は、勧告書(様式第4号)をもつて当該防火対象物の関係者に勧告し、その内容が改善されるまで、指導及び査察を行わなければならない。

(受領書)

第11条 勧告書を交付したときは、必要に応じて関係者から受領書(様式第5号)を徴収するものとする。

(査察員の要請)

第12条 署長は、査察のため特に必要があると認めるときは、消防長に対して査察員の派遣を要請することができる。

(査察員の派遣)

第13条 消防長は、前条の要請があつたとき又は必要があると認めるときは、署長の行う査察に協力させるため、査察員を派遣するものとする。

(査察結果の報告)

第14条 査察員は、査察の結果を防火対象物等査察記録表(様式第6号)又は危険物製造所等査察記録表(様式第6号の2)により署長に報告しなければならない。ただし、急を要するものについては、口頭又は電話により直ちに報告しなければならない。

2 査察員は、防火対象物、危険物製造所等及び液化石油ガス販売施設等の査察を実施したときは、前項とは別にその結果をそれぞれの査察結果報告書(様式第7号様式第8号及び様式第9号)及び査察結果集計表(様式第10号様式第11号及び様式第12号)に記載して、必要により署長に報告するものとする。

3 査察結果に伴う月例報告を行う場合は、査察結果集計表により、翌月の10日までに署長に報告するものとする。

4 署長は、査察の結果若しくは火災予防上又は人命保護上、重要な事項を得たとき又は特に参考になると認められる資料を得たときは、消防長に報告しなければならない。

(違反製造所等の報告)

第15条 署長は、危険物製造所等について法第12条第2項若しくは法第12条の2に基づく処置を要すると認めたとき又は法令に違反する重大な事実があつたときは、違反製造所等報告書(様式第13号)により、速やかに消防長に報告しなければならない。

(記録)

第16条 査察員は、査察の結果を第14条第1項で定める査察記録表により署長に報告する。この場合は、消防対象物の現況及び経過を明らかにしておかなければならない。

2 関係者から提出された資料及び報告等は、その経緯を明らかにして記録し、整理、保管しなければならない。

3 立入検査結果通知書等は、将来の挙証資料(事実資料)と成り得るものであるから、その経過処置を明らかにし、控を保管しておかなければならない。

(査察結果の事後処理)

第17条 立入検査結果通知書及び勧告書により指導したときは、是正期間を勘案して適当な時期に確認のための査察を行い、その結果により必要な措置を講じなければならない。

(違反処理)

第18条 署長は、第10条の規定による勧告によつては必要な効果を上げることができないとき又は法若しくは火災予防上重大な違反事実を認めたときは、県央地域広域市町村圏組合火災予防違反処理規程(平成15年消防長訓令第4号。以下「違反処理規程」という。)により処理するものとする。

(資料の徴収)

第19条 火災予防上必要と認められる資料(消防対象物の実態を把握するために必要な既存の文書その他の物件をいう。)は関係者に対して、任意により提出を求めるものとする。

2 前項の規定による任意の提出が困難と認められるときで、法第4条又は第16条の5の規定に基づき資料の提出を命じるときは、違反処理規程によるものとする。

(報告の徴収)

第20条 火災予防上必要と認められる報告(消防対象物の実態を把握するために必要な報告をいう。)は関係者に対して、任意に提出を求めるものとする。

2 前項の規定による任意の提出が困難と認められるときで、法第4条又は第16条の5の規定に基づき資料の提出を命じるときは、違反処理規程によるものとする。

(査察台帳)

第21条 署長は、次に掲げる台帳を備え、常時職務に資し得るよう管理しなければならない。

(1) 第1種及び第2種防火対象物査察台帳(様式第14号及び様式第15号)

(2) 第3種防火対象物査察台帳(様式第16号様式第16号の2及び様式第17号)

(3) 第4種防火対象物査察台帳(様式第18号及び様式第19号)

(4) 第5種防火対象物査察台帳(様式第20号)

(消防長の報告要求)

第22条 消防長は署長に対し、必要により定期査察及び特別査察の実施結果について報告を求めることができる。

(実績報告)

第23条 署長は、第6条第1項の定期査察計画について、次年度当初に旧年度1年分の査察結果を定期査察結果実績表(様式第21号)により、消防長へ報告しなければならない。

(関係機関との連携)

第24条 署長は査察の実施に関して、又は査察の結果に基づき特に必要と認めるときは、関係機関等に連絡するものとする。

2 署長は、法第35条の10の規定に基づき査察執行上必要な情報について、関係官公署へ照会又は協力を求めるものとする。

3 前項の照会又は協力を求める場合は、協力依頼書(様式第22号)により行わなければならない。

(施行期日)

1 この訓令は、平成19年6月13日から施行する。ただし、附則第3項の規程は平成21年4月1日から施行する。

(台帳に関する経過措置)

2 この訓令施行前に、従前の規定に基づき作成された台帳は、この訓令の規定に基づき作成された台帳とみなす。

(県央地域広域市町村圏組合予防査察規程の一部改正)

3 県央地域広域市町村圏組合予防査察規程(平成19年訓令第4号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(平成28年3月23日消防長訓令第3号)

この規程は、平成28年4月1日から施行する。

(平成30年1月26日消防長訓令第2号)

この規程は、平成30年4月1日から施行する。

別表

定期査察実施目標

防火対象物の区分

実施回数

第1種査察

第2種査察

第5種査察

(一)

イ 劇場、映画館、演芸場又は観覧場

ロ 公会堂又は集会場



防火対象物の数、規模及び火災危険度並びに査察員の数、その他を考慮のうえ、所属長の計画により適宜実施

(二)

イ キャバレー、カフェー、ナイトクラブその他これらに類するもの

ロ 遊技場又はダンスホール

ハ 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号)第2条第5項に規定する性風俗関連特種営業を営む店舗(ニ並びに(一)項イ、(四)項、(五)項イ及び(九)項イに掲げる防火対象物の用途に供されているものを除く。)その他これに類するものとして総務省令で定めるもの。

ニ カラオケボックスその他遊興のための設備又は物品を個室(これに類する施設を含む。)において客に利用させる役務を提供する業務を営む店舗で総務省令で定めるもの

(三)

イ 待合、料理店その他これらに類するもの

ロ 飲食店

(四)

百貨店、マーケットその他の物品販売業を営む店舗又は展示場

(五)

イ 旅館、ホテル、宿泊所その他これらに類するもの

ロ 寄宿舎、下宿又は共同住宅

(六)

イ 次に掲げる防火対象物

(1) 次のいずれにも該当する病院(火災発生時の延焼を抑制するための消火活動を適切に実施することができる体制を有するものとして総務省令で定めるものを除く。)

(i) 診療科名中に特定診療科名(内科、整形外科、リハビリテーション科その他の総務省令で定める診療科名をいう。(2)(i)において同じ。)を有すること。

(ii) 医療法(昭和23年法律第205号)第7条第2項第4号に規定する療養病床又は同項第5号に規定する一般病床を有すること。

(2) 次のいずれにも該当する診療所

(i) 診療科名中に特定診療科名を有すること。

(ii) 4人以上の患者を入院させるための施設を有すること。

(3) 病院((1)に掲げるものを除く。)、患者を入院させるための施設を有する診療所((2)に掲げるものを除く。)又は入所施設を有する助産所

(4) 患者を入院させるための施設を有しない診療所又は入所施設を有しない助産所

ロ 次に掲げる防火対象物

(1) 老人短期入所施設、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム(介護保健法(平成9年法律第123号)第7条第1項に規定する要介護状態区分が避難が困難な状態を示すものとして総務省令で定める区分に該当する者(以下「避難が困難な要介護者」という。)を主として入居させるものに限る。)、有料老人ホーム(避難が困難な要介護者を主として入居させるものに限る。)、介護老人保健施設、老人福祉法(昭和38年法律第133号)第5条の2第4項に規定する老人短期入所事業を行う施設、同条第5項に規定する小規模多機能型居宅介護事業を行う施設(避難が困難な要介護者を主として宿泊させるものに限る。)、同条第6項に規定する認知症対応型老人共同生活援助事業を行う施設その他これらに類するものとして総務省令で定めるもの

(2) 救護施設

(3) 乳児院

(4) 障害児入所施設

(5) 障害者支援施設(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号)第4条第1項に規定する障害者又は同条第2項に規定する障害児であつて、同条第4項に規定する障害支援区分が避難が困難な状態を示すものとして総務省令で定める区分に該当する者(以下「避難が困難な障害者等」という。)を主として入所させるものに限る。)又は同法第5条第8項に規定する短期入所若しくは同条第15項に規定する共同生活援助を行う施設(避難が困難な障害者等を主として入所させるものに限る。ハ(5)において「短期入所等施設」という。)

ハ 次に掲げる防火対象物

(1) 老人デイサービスセンター、軽費老人ホーム(ロ(1)に掲げるものを除く。)、老人福祉センター、老人介護支援センター、有料老人ホーム(ロ(1)に掲げるものを除く。)、老人福祉法第5条の2第3項に規定する老人デイサービス事業を行う施設、同条第5項に規定する小規模多機能型居宅介護事業を行う施設(ロ(1)に掲げるものを除く。)その他これらに類するものとして総務省令で定めるもの

(2) 更生施設

(3) 助産施設、保育所、幼保連携型認定こども園、児童養護施設、児童自立支援施設、児童家庭支援センター、児童福祉法(昭和22年法律第164号)第6条の3第7項に規定する一時預かり事業又は同条第9項に規定する家庭的保育事業を行う施設その他これらに類するものとして総務省令で定めるもの

(4) 児童発達支援センター、児童心理治療施設又は児童福祉法第6条の2の2第2項に規定する児童発達支援若しくは同条第4項に規定する放課後等デイサービスを行う施設(児童発達支援センターを除く。)

(5) 身体障害者福祉センター、障害者支援施設(ロ(5)に掲げるものを除く。)、地域活動支援センター、福祉ホーム又は障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第5条第7項に規定する生活介護、同条第8項に規定する短期入所、同条第12項に規定する自立訓練、同条第13項に規定する就労移行支援、同条第14項に規定する就労継続支援若しくは同条第15項に規定する共同生活援助を行う施設(短期入所等施設を除く。)

ニ 幼稚園又は特別支援学校

(七)

小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、高等専門学校、大学、専修学校、各種学校その他これらに類するもの

(八)

図書館、博物館、美術館その他これらに類するもの

(九)

イ 公衆浴場のうち、蒸気浴場、熱気浴場その他これらに類するもの

ロ イに掲げる公衆浴場以外の公衆浴場

(十)

車両の停車場又は船舶若しくは航空機の発着場(旅客の乗降又は待合いの用に供する建築物に限る)

(十一)

神社、寺院、教会その他これらに類するもの

(十二)

イ 工場又は作業場

ロ 映画スタジオ又はテレビスタジオ

(十三)

イ 自動車車庫又は駐車場

ロ 飛行機又は回転翼航空機の格納庫

(十四)

倉庫

(十五)

前各項に該当しない事業場

(十六)

イ 複合用途防火対象物のうち、その一部が(一)項から(四)項まで、(五)項イ、(六)項又は(九)項イに掲げる防火対象物の用途に供されているもの

ロ イに掲げる複合用途防火対象物以外の複合用途防火対象物

(十六の二)

地下街

(十六の三)

建築物の地階((十六の二)項に掲げるものの各階を除く。)で連続して地下道に面して設けられたものと当該地下道と合わせたもの((一)項から(四)項まで、(五)項イ、(六)項又は(九)項イに掲げる防火対象物の用途に供される部分が存するものに限る。)

(十七)

文化財保護法(昭和25年法律第214号)の規定によつて重要文化財、重要有形民俗文化財、史跡若しくは重要な文化財として指定され、又は旧重要美術品等の保存に関する法律(昭和8年法律第43号)の規定によつて重要美術品として認定された建造物

(十八)

延長50メートル以上のアーケード

(十九)

市町村長の指定する山林

(二十)

総務省令で定める舟車

第3種査察

危険物の製造所、貯蔵所及び取扱所

第4種査察

液化石油ガス販売所

備考

1 第1種から第5種とあるのは、査察規程第4条の第1種から第5種の防火対象物に対する査察をいう。

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県央地域広域市町村圏組合予防査察規程

平成19年6月13日 消防長訓令第4号

(平成30年4月1日施行)

体系情報
第7編 防/第3章 火災予防
沿革情報
平成19年6月13日 消防長訓令第4号
平成28年3月23日 消防長訓令第3号
平成30年1月26日 消防長訓令第2号