○救命索発射銃(器)取扱要綱
昭和52年11月21日
1 目的
この要綱は、救命索発射銃(以下「銃」という。)の取扱いについて規定し、適正なる取扱いによつて、その機能を十分発揮するとともに、暴発等による事故の絶無を期することを目的とする。
2 使用範囲
銃は、火災、水災等における人命救助及び連絡等にあたつて他に手段のないとき、並びに訓練その他で所属長の許可を受けた場合のみ使用するものとする。
3 許可手続
銃は、「銃砲刀剣類所持等取締法」の適用を受けるので、次により長崎県公安委員会に所持許可の申請を行い「銃砲等所持許可証」(以下「許可証」という。)を受けて使用すること。
(1) 配置時の申請は法に定める手続きにより行うこと。
(2) 申請書の記載事項中申請人の欄は所属長とする。
(3) 所属長に異動があつたときは、新たに譲り受けとなるので、前号に準じて申請すること。ただし、この場合の譲渡承諾書は新旧所属長の関係となる旧許可証の返納手続きをすること。
(4) 記載事項に異動を生じ、又は紛失等の場合は所定の手続きにより書き換え、又は、再交付の申請をすること。
4 取扱者
銃の使用は、所持の許可を受けた所属長のみが許されるものであるが、職務の性質と使用目的から所属長があらかじめ取扱者を指定して、次により使用及び取扱いさせることができる。
(1) 取扱者の指定は、銃1台につき各隊消防士長1名消防士2名とし常に取扱者の職階氏名は明らかにしておくこと。
(2) 取扱者は、上司の指揮監督を受け、銃の取扱技術の習熟につとめ、使用及び整備等にあたるものとする。
5 銃の使用についての遵守事項
(1) 指揮者は、発射目標の指示、操作の指導等を行なうとともに警笛、拡声器、その他の方法で発射予告(合図)警戒員の配置及び取扱者以外の者は銃の位置より下げる等、事故防止について最善の措置を講ずること。
(2) 取扱者は、指揮者の指示に従い、操作の確実及び安全装置の活用を図る等暴発の絶無を期するとともに発射位置、発射角度及び風位、風速等に留意し打込みの適正につとめること。
(3) 発射目標並びに距離を勘案し発射角度を適正にすること。
なお、訓練において装てん操作を行なう場合は空薬きようを使用すること。
(4) 不発の場合は、直ちに安全装置をかける等安全状態を保持したのち空包の取り換えその他の措置を講じ、みだりに引き金を引き発射体にさわり、又は銃口をのぞき見る等のことをしてはならない。
(5) 装てんした銃の移動(持ち歩き)はさけ緊急時において発射位置の変更等やむを得ず小移動を行なう場合は安全装置をかけ、かつ、銃口の向き(下方に向ける)に注意する等十分な安全装置を講ずること。
(6) 救助にあたつて救命索は連絡に用いることを原則とし、直接の救助はやむを得ない場合の外はさけること。
6 維持管理
銃は、みだりに装てん又は不注意による暴発、粗略な取扱いによる損傷及び紛失等の事故防止に注意するとともに、次により維持管理の適正を期しこれを常時使用可能な状態におくようにつとめること。
(1) 点検
ア 銃及び附属品の全般にわたりよごれ、傷部分(ビスその他)の脱落等及び損傷の有無並びに員数
イ 銃本体については、アのほか撃針及び引き金等の撃発装置並びに安全装置及び水準器等の機能の良否
(2) 整備
ア 銃(本体)
(ア) 撃針及び撃茎バネの取り換え、その他特に必要な場合を除いてみだりに分解しないこと。
(イ) 銃身内部及び薬室等の硝煙を受ける箇所は常に清潔を保持し特に使用後の整備は入念に行なうこと。
(ウ) 格納にあたつては装てんしないこと、及び撃発状態になつていないことを確認すること。その他全般にわたつて防錆に留意すること。
イ 空包
(ア) 空包は、常に現在数を明確にしておくとともに火気、湿気及び衝撃をさけ、つとめて冷暗な場所に格納し紛失、暴発等の事故防止を図ること。
(イ) 不発の空包は、取り換えの手続きをし、みだりにすてないこと。
ウ 救命索
(ア) 救命索は、円滑に延長されしかも連続して打ち込みができるよう収納袋に整えて入れておくこと。
(イ) 汚損した場合(特に塩水に打ち込んだとき)は清水にて洗浄し完全乾燥すること。ただし、乾燥の際は火気又は日光をさけ蔭干とすること。
エ その他の附属品
その他の附属品についても、前各号に準じて整備の適正を期すること。
オ 積載(格納)
銃は、その主たる使用目的により救助ロープその他の救助器具及び掛矢、くい等の器具類を一対として積載(格納)しておくこと。
7 空包の補充(取換え)
各所属で行なうこと。
8 報告
次の場合は、すみやかに消防長に報告すること。
(1) 第3項各号により許可を受けたとき。(許可番号、交付年月日及び異動事項)
(2) その他銃に異状を認めたとき。
(3) 取扱者を指定し、又は変更したとき。
(4) 訓練、水火災等により使用しようとするとき、又は緊急やむを得ず使用したときは「救命索発射銃使用報告書」(様式第1号)により報告すること。
9 記録簿等の備付
使用者は、使用の内容を明らかにするため、「救命索発射銃使用記録簿」(様式第2号)を備え使用のつど所定の事項を記入すること。