○県央地域広域市町村圏組合消防本部患者等搬送事業に対する指導及び認定に関する要綱
平成19年4月1日
消防長告示第1号
目次
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 指導に関する事項(第3条―第15条)
第3章 認定に関する事項(第16条―第27条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この要綱は、県央地域広域市町村圏組合管轄区域内の民間による患者等の搬送事業者に対し、必要な指導を行うとともに、一定の基準に適合する患者等の搬送事業者の認定を行うことにより患者等の生命及び身体の安全を図ることを目的とする。
(用語の定義)
第2条 この要綱における用語の定義は、次に定めるところによる。
(1) 患者等 寝たきり老人、車椅子又は寝台を必要とする身体障害者及び傷病者等をいう。
(2) 患者等搬送業務 患者等を医療機関及び社会福祉施設等へ搬送するために必要な構造又は設備を備えた自動車(以下「患者等搬送用自動車」という。)を使用し、患者等を搬送する業務をいう。
(3) 患者等搬送事業者 患者等搬送業務を行う事業所の経営者又は管理責任者をいう。
(4) 認定事業者 消防長による認定を受けた患者等搬送事業者をいう。
(5) 乗務員 患者等搬送用自動車に乗務し、当該業務に従事するものをいう。
第2章 指導に関する事項
(患者搬送事業の基本原則)
第3条 患者等搬送事業者は、患者等からの通報の適正処理及び患者等の搬送技能の向上に努めること。
2 患者等搬送事業者は、緊急性のない者を搬送対象とすること。
3 患者等搬送事業者は、事業の社会的責任を十分自覚し、関連法規を遵守すること。
(消防機関との連携)
第4条 患者等搬送事業者は、次の各号の一に該当する場合は、119番等により、患者等の居る場所、状態、既往症、掛かり付けの医療機関等を消防機関に通報し、救急自動車を要請すること。
(1) 患者等からの要請時点において、緊急に医療機関へ搬送が必要である場合。なお、この場合は、併せて患者等搬送用自動車に同乗し搬送業務に従事する者(以下「乗務員」という。)を派遣すること。
(2) 要請者の依頼場所に到着時点において、緊急に医療機関に搬送する必要がある場合
(3) 患者等の搬送途上において、緊急に医療機関に搬送する必要がある場合
(乗務員の要件)
第5条 ストレッチャー及び車椅子等を固定できる患者等搬送用自動車による乗務員の要件については、満18才以上の者で、次の各号のいずれかに該当する者をもつて充てること。
(1) 別記第1の1に掲げる消防機関が行う講習を修了した者
2 車椅子のみを固定できる患者等搬送用自動車(以下「患者等搬送用自動車(車椅子専用)」という。)に同乗し搬送業務に従事する者(以下「乗務員(車椅子専用)」という。)は満18才以上の者で、次の各号のいずれかに該当する者をもつて充てること。
(1) 別記第1の2に掲げる消防機関が行う講習を修了した者
3 適任証及び適任証(車椅子専用)の有効期間は、2年間とする。ただし、第11条で定める定期講習を受けた者についてはさらに2年間有効とし、それ以降も同様とすること。
(適任証の携行)
第7条 乗務員は、搬送業務に従事するときは、適任証を携帯すること。
(運行体制)
第8条 ストレッチャー及び車椅子等を固定できる患者等搬送用自動車による患者等搬送事業を行う患者等搬送事業者は、患者等搬送用自動車1台につき第5条第1項の要件を満たす2名以上の乗務員をもつて業務を行わせること。ただし、退院等を目的とした運行をする場合、又は医師若しくは看護師等が同乗する場合は、乗務員を1名とすることができる。
2 患者等搬送用自動車(車椅子専用)を用いて搬送を実施する事業(以下「患者等搬送事業者(車椅子専用)」という。)を行う者(以下「患者等搬送事業者(車椅子専用)」は、患者等搬送用自動車(車椅子専用)1台につき第5条第2項の要件を満たす1名以上の乗務員(車椅子専用)をもつて業務を行わせること。ただし、搬送中に容態急変の可能性が高い場合等については、医師等を同乗させる、又は乗務員(車椅子専用)数を2名以上とする等、対応に必要な体制を確保すること。
(患者等搬送用自動車の要件)
第9条 ストレッチャー及び車椅子等を固定できる患者等搬送用自動車は、次の各号に掲げる構造及び設備を有するものであること。
(1) 十分な緩衝装置を有すること。
(2) 換気及び冷暖房の装置を有するものであること。
(3) 乗務員が業務を実施するために必要なスペースを有するものであること。
(4) ストレッチャー及び車椅子等を使用したまま確実に固定できる構造であること。
(5) 携帯が可能な通信機器等、連絡に必要な設備を有していること。
2 患者等搬送用自動車(車椅子専用)は、次の各号に掲げる構造及び設備を有するものであること。
(1) 十分な緩衝装置を有すること。
(2) 換気及び冷暖房の装置を有するものであること。
(3) 乗務員(車椅子専用)が業務を実施するために必要なスペースを有するものであること。
(4) 車椅子を使用したまま確実に固定できる構造であること。
(5) 車椅子の乗降を容易にするための装置を備えていること。
(6) 携帯が可能な通信機器等、連絡に必要な設備を有していること。
(積載資器材)
第10条 患者等搬送用自動車には、別記第4の1に掲げる資器材を積載すること。
2 患者等搬送用自動車(車椅子専用)には、別記第4の2に掲げる資器材を積載すること。
(定期講習)
第11条 患者等搬送事業者は、乗務員の応急手当技能を適切に管理するため、適任証の交付を受けた乗務員に、2年に1回以上消防機関の行う別記第3に掲げる定期講習を受講させること。
(車両の外観)
第12条 患者等搬送用自動車は、サイレン又は赤色警告灯を装備するなど、救急自動車と紛らわしい外観を呈していないこと。
(1) 定期消毒 毎月1回以上
(2) 使用後消毒 毎使用後
(3) 医師から消毒について特別な指示があつた場合は、指示に基づいた消毒を行うこと。
(衛生及び安全管理)
第14条 患者等搬送用自動車及び積載資器材については、点検整備を確実に行い、清潔保持に努めること。
2 乗務員の服装は、患者等搬送業務にふさわしいものとし、清潔の保持に努めること。
(事業案内)
第15条 パンフレット等の事業案内には、救急隊と同レベルの活動ができるかのような表現はさけること。
第3章 認定に関する事項
(認定対象となる患者等搬送事業者)
第16条 認定対象となる患者等搬送事業者は、道路運送法(昭和26年法律第183号)に定める次の者とする。
(1) 一般乗用旅客自動車運送事業の許可を受けた者
(2) 一般貸切旅客自動車運送事業の許可を受けた者
(3) 特定旅客自動車運送事業の許可を受けた者
(4) 自家用有償旅客運送の登録を受けた者
(認定の有効期間)
第20条 認定の有効期間は、認定を受けた日の翌日から起算して5年とする。
(認定の更新)
第21条 認定審査基準に適合した患者等搬送事業者(以下「認定業者」という。)は、認定の有効期間の満了後も引き続き認定を受けようとするときは、消防長に更新を申請するものとする。
2 更新時の手続きは、認定時の手続きを準用するものとする。
(認定マークの亡失等)
第22条 認定業者は、認定マークを亡失し、又は滅失したときは、速やかに消防長に届け出て認定マークの再交付を受けることができるものとする。
(事業の休止等)
第23条 認定業者は、患者等搬送事業の全部若しくは一部を休止し、又は廃止したときは、消防長に届け出るものとする。
(認定の失効)
第24条 次の各号の一に該当するときは、認定はその効力を失うものとする。
(1) 道路運送法に定めるところにより、国土交通大臣の許可等が取り消され又は失効したとき。
(2) 患者等搬送事業を廃止したとき。
(3) 認定の有効期間が満了したとき。
(認定業者の責務)
第25条 認定業者は、指導基準を誠実に履行しなければならない。
2 認定業者は、患者等搬送業務実施中、搬送業務の遂行に支障を及ぼす重大な事故を発生させたときは、消防長に報告するものとする。
(認定業者の調査)
第26条 消防長は、少なくとも年1回以上認定業者に対し、指導基準の履行状況について調査するものとする。
(1) 認定業者が指導基準を遵守しないとき。
(2) 業務の遂行に当たつて、重大な事故を発生させたとき。
(3) その他、認定を継続することが、不適当と判断されるとき。
附則
この要綱は、平成19年4月1日から施行する。
附則(平成22年7月9日消防長告示第2号)
この要綱は、平成22年7月9日から施行する。
別記第1 消防機関の行う講習
1 消防機関の行う講習[乗務員]
課目 | 時間数 |
総論 | 1 |
観察要領及び応急措置 (一定頻度者が受講する講習と同等の内容を含む) | 13 |
体位管理要領 | 2 |
消防機関との連携要領 | 2 |
車両資器材の消毒及び感染防止要領 | 2 |
搬送法 | 2 |
修了考査 | 2 |
合計 | 24 |
*課目の1時間は、45分とする。
2 消防機関の行う講習[乗務員(車椅子専用)]
課目 | 時間数 |
総論 | 1 |
観察要領及び応急措置 (一定頻度者が受講する講習と同等の内容を含む) | 9 |
体位管理要領 | 1 |
消防機関との連携要領 | 2 |
車両資器材の消毒及び感染防止要領 | 1 |
搬送法 | 1 |
修了考査 | 1 |
合計 | 16 |
*課目の1時間は、45分とする。
3 講師
上記に掲げる講習の講師は、救急隊長又は救急分隊長若しくは救急救命士として3年以上の実務経験を有する者で、消防長が適任と認めた者を充てる。
4 乗務員の修了考査実施基準
修了考査は次の内容とし、80点以上を以て合格とする。
区分 | 課目 | 配点 |
実技 | 観察要領及び応急措置 | 60点 |
筆記 | 消防機関との連携要領 | 20点 |
車両資器材の消毒及び感染防止要領 | 20点 | |
合計 | 100点 |
別記第2 消防機関の行う適任者講習を修了した者と同等以上の知識及び技能を有する者
次表の通り
分類 | |
1 | 救急救命士の資格を有する者及び消防法施行規則第51条に定める救急業務に関する講習課程を修了した者。 |
2 | 日本赤十字社の行う応急処置に関する講習を受けた者で、資格の有効期間内の者。 ただし、消防機関の行う適任者講習に不足する課目については、消防機関の行う講習を受講すること。 |
3 | 上記、1及び2に掲げる者以上の知識及び技能を有すると消防長が認めた者。 |
別記第3 定期講習
1 定期講習は、次の表に掲げるものとする。
課目 | 時間数 |
観察要領及び応急措置 | 2 |
体位管理要領 | 1 |
合計 | 3 |
*課目の1時間は、45分とする。
2 講師
適任者講習と同じ。
別記第4 患者等搬送用自動車に積載する資器材
1 患者等搬送用自動車に積載する資器材
項目 | 資器材名 |
呼吸管理用資器材 | バッグバルブマスク ポケットマスク |
保温・搬送用資器材 | 敷物 保温用毛布 担架、ベルト まくら |
創傷等保護用資器材 | 三角巾 ガーゼ 包帯 タオル 絆創膏 |
消毒用資器材(車両・資器材用) | マスク・手袋・ガーゼ タオル・噴霧消毒器 各種消毒薬 |
その他の資器材 | はさみ マスク ピンセット 手袋 膿盆汚物入れ 体温計 ※ AED |
※ 任意で積載するものとする。
2 患者等搬送用自動車(車椅子専用)に積載する資器材
項目 | 資器材名 |
呼吸管理用資器材 | ※ バッグバルブマスク ポケットマスク |
保温・搬送用資器材 | ※ 敷物 保温用毛布 担架 ※ まくら |
創傷等保護用資器材 | 三角巾 ガーゼ 包帯 タオル 絆創膏 |
消毒用資器材(車両・資器材用) | マスク・手袋・ガーゼ タオル・噴霧消毒器 各種消毒薬 |
その他の資器材 | はさみ マスク ※ ピンセット 手袋 膿盆汚物入れ 体温計 ※ AED |
※ 任意で積載するものとする。