○警防計画要綱
平成23年4月19日
消防長訓令第6号
(趣旨)
第1条 この要綱は、県央地域広域市町村圏組合警防活動規程(平成23年消防長訓令第5号。以下「警防活動規程」という。)第2章「警防計画」の規定に基づき、特殊建築物、特殊地域等で火災が発生した場合において、円滑適正な消防隊等の運用を図り、その被害を最小限に抑えるために定めるものとする。
(実態把握)
第3条 警防計画は、その実態を詳細に把握するために綿密周到な現地調査を行い、あらゆる角度から検討して作成しなければならない。
(警防計画様式)
第4条 警防計画に用いる様式は次のとおりとする。
1 特殊建築物警防計画
(1) 概要表(様式第1号の1)
(2) 説明書(様式第2号)
(3) 案内図(様式第3号)
(4) 計画図(様式第4号)
(5) 平面図(様式第5号)
(6) 行動計画書(様式第6号)
2 特殊地域警防計画
(1) 概要表(様式第1号の2)
(2) 説明書(様式第2号)
(3) 案内図(様式第3号)
(4) 計画図(様式第4号)
(5) 行動計画書(様式第6号)
3 トンネル警防計画
(1) 概要表(様式第1号の3)
(2) 説明書(様式第2号)
(3) 案内図(様式第3号)
(4) 計画図(様式第4号)
(5) 行動計画書(様式第6号)
4 警防活動上特に必要と認める警防計画
(1) 概要表(様式第1号の4)
(2) 説明書(様式第2号)
(3) 案内図(様式第3号)
(4) 計画図(様式第4号)
(5) 行動計画書(様式第6号)
(警防計画策定要領)
第5条 警防計画は、次の要領により策定するものとする。
1 特殊建築物警防計画
(1) 概要表
ア 計画番号欄は、警防計画を設定する管内の特殊建築物について一連番号を附し、算用数字で記入する。
イ 収容人員欄は、当該防火対象物における、最大収容人員を記入する。
ウ 警備組織欄は、当該防火対象物の自衛消防組織の人数や夜間における警備会社への警備委託状況について記入する。
エ 建物状況欄は、当該防火対象物及びその附属建物について記入する。
オ 消防用設備等欄は、当該防火対象物に設置されている消防法(昭和23年法律第186号)第17条で規定する消防用設備等又は特殊消防用設備等の種類を記入する。
カ 備考欄には、当該防火対象物の危険物等の貯蔵状況等を記入する。
(2) 説明書
ア 計画番号欄は、「概要表」の計画番号を記入する。
イ 出場計画欄は、警防活動規程第5章の規定に基づく、第1次出場、第2次出場等の消防隊等について記入する。(消防団も記入する。)
(ア) 水利は現場までの走行距離、所要時間、(毎時40キロメートルとして算定する。)出場経路、道路状況、交通事情等を総合的に検討し当該防火対象物を包囲する隊形を原則として、出場車両ごとに指定した水利について記入する。
(イ) 任務は、ホース延長距離(本数)及び水量から検討して単独放水、1線又は2線放水、タンク車等へ中継若しくは中継のうえタンク車等から第2線延長等の別を簡記する。(ホース本数は担当区の必要最大数とする。)
(ウ) 消防水利の状況は、指定水利の状況を具体的に記入する。
ウ 人命救助及び避難誘導対策欄は、人命救助の必要が予想される場所、救助要領、検索隊の指定、使用資器材、避難誘導場所等について記入する。
エ 警防活動上の最大重点欄は、当該防火対象物の防ぎよ上の重要方面、延焼拡大の原因となる爆発物及び引火性物件の所在位置とその対策、建物内進入上の注意事項、防ぎよ上使用する資器材等について具体的に記入する。
オ 警防活動上必要な消防用設備等の活用方法欄は、防ぎよに際し利用し得る消防用設備等について、その活用方法、活用の際の指定等について記入する。
カ 備考欄には、想定火点の位置、風向、風速(平均)、水利統制、防ぎよ資器材の補給その他必要事項を記入する。
(3) 案内図
ア 案内図には、所轄署管内略図に防ぎよ計画を設定する対象物の位置を記入する。
イ 案内図は、管内を区分し作成することができる。
(4) 計画図
ア 防ぎよ計画を設定する対象物を中心にして、周囲の建築物、道路、水利等の状況を作図し、第1次出場から第2次出場までの消防隊等のうち、ポンプ車については「説明書」で指定した水利部署を、タンク車及びその他の車両については配置部署を図示するとともに、所属(頭文字のみ)及び車両の整理番号を附記する。
イ ホース延長線は、当該対象物までの経路及び距離(本数)を記入する。
ウ 水利は、消火栓についてはその管径を、その他のものについてはその容(流)量を附記する。
エ 計画図に用いる記号は、「消防用図式記号」等による。
オ 水利の記号は、朱色をもつて表示する。
カ 消防車の記号は、第1次出場車は朱色、第2次出場車は青色をもつて表示する。
キ 消防車の到着順位を青色で附記する。
(5) 平面図
ア 平面図は、階を有するものは階ごとに作成し、内部区画、構造及び面積を記入する。ただし、同一様態の階がある場合は、その旨を説明して、他の階の平面図は省略する。
イ 「概要表」に掲げる危険物等の貯蔵並びに消防用設備等及び避難設備又は非常口、防火壁、エレベーター、階段等は、必ず図示する。
ウ 当該対象物の附属建物が多数にわたる場合は、別紙に建物配列図を作成し、構造別、階層、建面積、延面積、用途別を記入する。ただし、附属建物が少ない場合は、省略する。
エ 平面図に用いる記号は、「消防用図式記号」等による。
オ 平面図、配列図の縮尺は、適宜とする。
(6) 行動計画書
ア 出場する分隊毎に作成する。
イ 予定水利欄には、部署する水利を優先順に記入する。
ウ 任務欄には、単独放水、1線又は2線放水、タンク車等へ中継若しくは中継の上タンク車等から第2線延長等を記入する。
エ 行動欄には、車両の部署位置、任務に応じた各隊員の活動内容等について具体的に記載する。
2 特殊地域警防計画
(1) 概要表
ア 計画番号欄は、警防計画を設定する管内の危険地域について一連番号を附し、算用数字で記入する。
イ 地域名は、町名及び何町の全部又は何町のうち何番地から何番地まで等、警防計画を設定する地域内の町名地番を明確に記入する。
ウ 特殊地域の状況欄は、地域内の地形、道路、建物の構造、業態、密集度等について具体的に記入する。
エ 地域の特異性欄は、火災防ぎよ上特に注意を要する事項について記入する。
オ 水利状況欄は、当該地域内及びその周囲の水利事情(配管、水圧)並びにその他の消防水利状況と水利統制について特に考慮を要する事項を記入する。
カ 防ぎよ線欄は、当該地域内で火災が発生し延焼拡大するおそれがある場合に延焼阻止するための防ぎよ線について記入する。
キ 避難場所欄は、当該地域の住民等が避難する場所を記入する。
ク 警防活動時の留意事項欄は、人命救助、消火活動等において留意すべき事項を記入する。
(2) 説明書
出場計画は、特殊建築物警防計画説明書に準じて記入する。ただし、現場までの走行距離は、第1次、第2次出場隊については指定水利までの距離を記入する。(想定火点は設けない)
(3) 案内図
ア 案内図には、所轄署管内略図に警防計画を策定する特殊地域の計画番号を記入する。
イ 案内図は、管内を区分して作成することができる。
(4) 計画図
ア 目標物となる建物等には、その名称等を記入する。
イ ホースの延長線は図示しない。ただし、中継体形をとる部分までは図示する。
ウ 危険地域は、斜線で囲み図示する。
エ その他、特殊建築物警防計画に準じて記入する。
(5) 行動計画書
特殊建築物警防計画に準じて記入する。
3 トンネル警防計画
(1) 概要表
ア 計画番号欄は、警防計画を設定する管内の対象トンネルについて一連番号を附し、算用数字で記入する。
イ 道路名・路線名欄は、当該トンネルが属する道路又は路線について記入する。
ウ 管理機関欄は、当該トンネルを現に管理運営している機関を記入し、併せて災害発生時の緊急連絡先を記入する。
エ トンネル等級欄は、該当する等級について記入する。
オ 概要欄は、当該トンネルの規模について概要を記入する。
カ 非常用施設欄は、設置されている非常用設備等の種類を記入する。
キ トンネルの状況欄は、トンネルの構造、規模、利用状況や周囲の状況について記入する。
ク トンネルの特異性欄は、火災防ぎよ上特に注意を要する事項について記入する。
ケ 水利の状況欄は、当該トンネル及びその周囲の水利事情(配管、水圧)並びにその他の消防水利状況と水利統制について特に考慮を要する事項を記入する。
コ 警防活動時の留意事項欄は、人命救助、消火活動等において留意すべき事項を記入する。
(2) 説明書
出場計画は、特殊建築物警防計画説明書に準じて記入する。ただし、現場までの走行距離は、トンネル入口までの距離を記入する。
(3) 案内図、計画図、行動計画書
特殊建築物警防計画に準じて記入する。
4 警防活動上特に必要と認める警防計画
(1) 概要表
ア 施設等の区分欄は、危険物、放射線物質、毒劇物、高圧ガス等を貯蔵し、又は取り扱う対象物の施設区分を記入する。
イ 危険物等の種類、品名、数量欄は、当該防火対象物で貯蔵又は取り扱う危険物、放射線物質、毒劇物、高圧ガス等の種類、品名、数量を記入する。
ウ 消防用設備等欄は、設置されている設備を記入し、防災資器材についても記入する。
エ 対象物の状況欄は、施設の構造、業態等について具体的に記入する。
オ 対象物の特異性欄は、警防活動上特に注意を要する事項について記入する。
カ 水利の状況欄は、当該トンネル及びその周囲の水利事情(配管、水圧)並びにその他の消防水利状況と水利統制について特に考慮を要する事項を記入する。
キ 警防活動時の留意事項欄は、人命救助、消火活動等において留意すべき事項を記入する。
(2) 説明書、案内図、計画図、行動計画書
特殊建築物警防計画に準じて記入する。
(1) 商店街等は、特殊地域の建築物密集地域とする。ただし、アーケード等により接続しているとみなされるものは、一の区画とする。
(2) 耐火構造による4階建以上のアパート等で同一敷地内に群立し、構造が同一とみなされるものについては、1件の計画により処理することができる。
第7条 署長は、警防計画を作成したときは、消防長に報告するとともに、関係する所属長に送付しなければならない。計画を修正したときも同様とする。
第8条 各級指揮者は、常に警防計画を検討し、隊員の教養訓練に活用するとともに、災害時の警防活動にあたり最大の効果を発揮するよう努めなければならない。
第9条 隊員は、平素から警防計画を熟知し、災害時の警防活動にあたり最大の効果を挙げるよう努めなければならない。
附則
この訓令は、平成23年4月19日から施行する。
別表
区分 | 樹立対象 | |||
特殊建築物警防計画 | 次に掲げる対象物とする。 | |||
構造 | 内容 | |||
耐火造 | 1 特定防火対象物で床面積の合計が3,000平方メートル以上で収容人員が700人以上のもの。 2 11階以上のもの。 3 特定防火対象物で地階、無窓階又は4階以上の階で、その階の床面積が1,000平方メートル以上のもの。 4 非特定防火対象物で床面積の合計が5,000平方メートル以上で収容人員が500人以上のもの。(7項を除く) 5 6項イに掲げる防火対象物にあつては、ベット数が100床以上で、常時介護が必要な者を収容するもの。 | |||
耐火造以外 | 1 特定防火対象物で床面積の合計が1,000平方メートル以上のもの。 2 特定防火対象物で収容人員が300名以上のもの。ただし6項イに掲げる防火対象物にあつては、ベット数が50床以上で、常時介護が必要な者を収容するもの。 3 非特定防火対象物で床面積の合計が3,000平方メートル以上で、収容人員が300人以上のもの。 | |||
全対象物 | 1 特別養護老人ホーム、救護施設、児童福祉施設及び身体障害者施設、知的障害者施設等で入所施設のあるもの。 2 17項に掲げられる対象物で延焼拡大により、その建物が容易に焼失するおそれがあると認められるもの。 | |||
特殊地域警防計画 | 1 建築物密集地域 道路、空地、鉄道、河川等で囲まれた最小の区画で、火災が発生したとき特に延焼の拡大が著しいと予想される建築物が密集した地域 2 水利不便地域 市街地又は街区を形成している集落であつて、当該地域に対して消防水利を活用しても単独放水できるポンプ車が3台以下である地域のうち、署長が必要と認めるもの。 3 防ぎよ困難地域 消防車の進入が不能又は困難な道路で囲まれた集落、高台等火災防ぎよ上困難な地域のうち、署長が必要と認めるもの。 4 その他署長が必要と認める地域 | |||
トンネル警防計画 | 公共の用に供されている道路に設けられたトンネル、若しくは鉄道の営業路線に設けられたトンネルで総延長200メートル以上のもの。 | |||
警防活動上特に必要と認める警防計画 | 前記に該当しないもので、危険物、放射線物質、毒劇物、高圧ガス等を貯蔵し、又は取り扱う対象物で、署長が必要と認めるもの。 |